5月のイタリア料理教室のスターターと
5月のイタリア料理教室のスターターは、前菜にもセコンドにもなる「シチリア風魚介のパン粉焼き」、春の一大整理で出てきた懐かしい写真を見て、自分も久しぶりに食べたいし、また紹介したいな〜、と思った一品です。
先月もパン粉焼きだったことを忘れているわけではないけれど、生徒の皆さんに驚かれた4月は「パン粉焼き」というネーミングが間違っていたかもしれませんね(苦笑)。そもそもあのメニューは、浜町時代、教室三年目に紹介したものがベース。ずっと憧れていたアリス・ウォータースのシェ・パニーズを訪ねて、ナパ・ヴァレーのカリフォルニア・キュイジーヌを食べ歩く、という人生初にして(今の所は)最後のUSA旅の収穫でした。
今月ご紹介するPanate(パン粉焼き)はごくスタンダードなイタリア料理。
何しろ教室をスタートする前ですからかな〜り昔のことですが、日伊学院の同級生が作ってくれたメニュー。T大医学部大学院で文化人類学を専攻していた彼がランペドゥーサをフィールドに選んだのが縁、帰国後ご馳走になって、すぐに自分でも作ってみました。レッスンでも教えたことがあるのかどうかすら定かではなくて、当然Macにもリチェッタはなく、今回ざっと試作し直して。
シンプルなクスクスに合わせて食べるのが本来だけど、サイドメニューも単品でも使ってもらえるようにクスクスは「タブレ風のサラダ」にして添えますね。
築地、いや、豊洲から届いた試作用のやりいかは1ぱい千円…
うちの魚やさんも、あちこちのリストランテで「高い!」「高い!」と言われるらしいし、都内でも、ニクヤキストとして有名でいらしたこともありましょうが、魚介は一切なしで肉しか置かない方針で、居酒屋風イタリアンをスタートされたシェフもいらっしゃって。
東京で美味しい魚を食べようと思うと、いわゆるコスパは相当悪い。でもね、外食でおいしい魚介のメニューを楽しむのが難しいからこそ、教室ではたまに魚介の献立も紹介して、家庭でも流行りの肉ばかりではなく魚も食べて欲しいと思っています。海の事情の心配は精肉業界にも同じくらいリスクがあると思うのですよねぇ。
個人的にはイタリアンの外食は魚介もおいしい店に脚が向きがち。シェフ自ら毎朝豊洲に通っていらっしゃる白山ダディーニはもちろん、銀座オステリア・ダ・カッパもサスエのお魚だけあってとびきり。
写真は↓、先週久しぶりのダ・カッパで食べた「もちうま鰹のカルパッチョ」。お刺身同様、切り方ひとつにかかってくる部分や絶妙の塩梅(この日は燻製塩で!)のお蔭で美味しいわけですが、正直なところ、こんな鰹はもう仕入れの段階で敵わないっていうのも事実。
とはいうものの、「肉だけ出していれば喜ばれるうえ経済的」に敢えてNO!を出してレッスンメニューに選んでいるからには、教室でもできる範囲で頑張って、おいしいFrutti di mare(海の幸)を楽しんで頂きたいです。特別なアレルギーがなければ、肉も魚も野菜も全てバランスよく摂って欲しい、というのが、生徒の皆様の貴重な一食を預かる私の親心なので!
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