ペリッセロ メーカーズディナー@La cucina oliva
ピエモンテのバルバレスコの造り手「ペリッセロ」のオーナー、ジョルジョ・ペリッセロさんをお迎えしての教室でのメーカーズ・ディナー、先週11月21日に無事終了いたしました。
宣伝する必要もなく生徒の皆様ですぐ満席になってしまったため今更ながら、当日の料理写真をまとめておきます。輸入元のフードライナーさんから夏にお話を頂戴して以来、ご参加の皆様の記憶に残る一日になるように、自分も楽しんでメニューを考えて参りました。
夜の照明のもとでのiPhone写真は厳しいので、以下はイベント前後に昼間パチっと撮ったもの。「先生は、理想としてはこう盛り付けたかったのだなぁ」ということで(笑)…ときにイタリア語を話しつつ12皿ともなりますと現実は厳しいのですが、心は込めましたので!
Stuzzichini(Prosciutto crudo e Cachi marinati al dolcetto d’alba di Pelissero
Petto di pollo “Nambudori” tonnato all’arancia
まずは、ストゥツィッキー二(つきだし)、「パルマの生ハムと2色の柿」と「南部どり胸肉のトンナート オレンジ風味」、富有柿をペリッセロのドルチェットに浸けて、また、ピエモンテといえば!の「トンナート」はオレンジ風味でアレンジして。
イタリアーナの友人にメニューを相談してきたのですが、「日本の柿は美味しい(=大抵の果物はイタリアのほうが、となります…)」と常々彼女が言っていたし、昔プーリアのマッセリアで柿をプリミティーヴォにつけていたのが面白かったのでレッスンでも教えたことがあります。
惜しまれるのは、豊洲で探してもらったけれど「柿の葉」が手に入らなかったこと。かわばのリコッタを包んで、柿の葉の香りを移して盛り合わせようと考えていました。イタリアでも「ぶどうの葉」や「いちじくの葉」はよく使うけど、海外の方が「日本の『柿の葉寿司』はとても興味深い」と仰ることが多いので。
食用のいちょうの葉っぱ、盛り付けに使うために豊洲でとってみたけれど、やり過ぎもナンだと考え直してテーブルに!当日は紅葉したもみじも散らして。
Antipasto freddo
Mousse dì cavolfiore con gelatina di balsamico e frutti di mare di Hokkaido
冷たい前菜は、「カリフラワーの軽いムース 北海道の海の幸とバルサミコのジュレを添えて」、器のよいサイズがなくて、柿の葉寿司風リコッタがなかったのだからスプンティーノにすればよかったかなぁ。ここまでは、限定販売のペリッセロの白2種に合わせました。
Antipasto caldo
Pesce "Amadai "con squame croccanti su vellutata di rape.
他の欧米諸国同様にイタリアの方たちも鱗どころか、魚介の皮を食べる習慣はないのを存じ上げてはいましたが、温かい前菜として「甘鯛の鱗焼き」を。昆布出汁ベースのカブのピュレにボッタルガ、オリーブオイル、食用の菊。
ペリッセロのリースリング(白)とバルベーラ(赤)、並べて楽しんで頂きました。
久しぶりに間近で見た白トリュフ。
世界三大珍味は黒トリュフですが、イタリアでは(ウンブリアなどで穫れる)黒にはあまり価値がなくて、なんといっても「タルトゥフォ ビアンコ(白トリュフ)」が晩秋のご馳走です。
で、白トリュフといえばピエモンテ州アルバが一番の産地、バルバレスコに合わせるのですからアルバ産でいきたかったけれど週イチ金曜配達のみ、木曜のイベントですので最新の入荷のサン・ミニャートで手配しました。
日本でのイタリア産の相場は今年はキロ単価60万前後、小さな30gほどのものでも…本場からいらっしゃるジョルジョさんには有り難みはない予算のかけ方ながら、やっぱりね、晩秋の北イタリアの「香りのご馳走」、生徒の皆様に是非この秋も一度は、と。
Primo piatto
Risotto alle castagne di Avellino con tartufo bianco di San Miniato.
「アヴェリーノの栗のリゾット 白トリュフがけ」、とはいえ試作にはタルトゥフォ・ビアンコはすれなかった(笑)。
ここからは、ペリッセロのバルバレスコ「ヌビオラ」と「ヴァヌトゥ」を大きなグラスで並べて楽しんで頂いて。
料理教室のレッスンでは、「日本の家庭で作りやすいように」「生徒さんのご家族が召し上がりやすいように」というのもあって、最近では特にイタリアの食文化を消化した上で自分のイタリアンを出しています。
リゾットも然り。日本米を使った上手な炊き方を教えたり、健康のためにオリーブオイルで米を炒めて仕上げのバターやチーズも少し控えめにして。
でも、メーカーズ・ディナーの本番では、イタリア製オッチェッリのバターたっぷりで、日本米ではなくカルナローリで本場の味わいをそのまま。
イベント用とはいえ、家にペリッセロのバルバレスコが9本もあって、豊かな気持ちで過ごせました(笑)。
Secondo piatto
Cervo alla griglia con salsa di “Nubiola” e radici invernali giapponesi.
セコンドは、「蝦夷鹿のグリリア 赤ワインのソース 日本の冬野菜を添えて」、黒胡椒や食用ヴィオラをアクセントにしてバルバレスコの香りに繋げてみました。写真にはないけれど、じゃがいもだけではなく、蓮根や同じくペリッセロの赤と蜂蜜で味付けしたごぼうをのせて。
ヌビオラを贅沢にソースに使おうと考えていましたが、「ソースにするよりやっぱりグラスで二杯目を飲んで頂いたほうが」って…柿のマリネにも使ったペリッセロのドルチェットを使いました。
山形の生徒さんからちょうどよいタイミングでラ・フランスを送って頂き。
銀座オステリア・ダ・カッパの磯貝シェフに助けを借りて…
当日のドルチェは2品
「ゴルゴンゾーラのバスク風チーズケーキ」にはラ・フランスの白ワイン煮と蜂蜜、黒胡椒を添えて。
Dolci
Torta di formaggio gorgonzola alla basca
Bonnet
もう一つのドルチェは、これもまたピエモンテといえば!の「ボネ」、土地のワインには土地の料理が基本ですので、やっぱり焼いてしまった。
ピエモンテ州の州都トリノは「フィアット」だけではなくて、ヘーゼルナッツを練り込んだチョコ、「ジャンドゥーヤ(gianduja)」で知られています。ボネにも(残念ながら使ったのはフランス産ヴァローナですが)チョコが入っていて。
ジョルジョさんもボネをご覧になって「ノッチョーラ」のことを仰っていましたが、夏に帰省した友達にお土産でもらい、この日に使おうと出してあったピエモンテ名産「ノッチョーラ(ヘーゼルナッツ)」、順調に飾り忘れて、終了後すぐ気づいて、がーん。
ピエモンテ州トリノは「グリッシーニ」発祥の地、この辺もペリッセロのバルバレスコと合わせて生徒の皆様の記憶に刻んで頂きたくて美味しいグリッシーニも用意しました。
アマレッティはボネに、イタリアの美味しいツナ缶はトンナートに!食材でもフードライナーさんにお世話になりました。
窓の外も秋。
古〜〜いマンションなのでいろいろ大変なことも多いけど、外からはわからずとも300坪の中庭を囲んで建っている感じが、イタリアのアパルタメントのようで気に入っています。ジョルジョさんの再訪はもちろんのこと、またこのような機会にイタリアの生産者の方たちに筋金入りのイタリア好きの私のイタリア料理を食べて頂けたら幸せ。
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