ナポリ風ラザーニァ

2月のレッスンでセコンド代わりにご用意したのは、カンパーニャ州ナポリのカルネヴァーレ(謝肉祭/カーニバル)の料理「ラザーニァ・ナポレターナ(ナポリ風ラザーニァ)」でした。


本当はもう少しモダンな創作イタリアンのメニューを予定していたのですが、イタリアーナの仲良しMさんに1月の終わりに誕生日を祝ってもらった時、「来月は何を教えるの?」と尋ねられ…「(今年の復活祭は4月ですが…)パスクアの料理も紹介し尽くした気がするし、〜〜を作ろうと思っているの」と答えたところ、「ラザーニァ・ナポレターナは教えたの?ちょうどカルネヴァーレの時期の特別な料理だし、ポルペッティーネ(肉団子)が入るから普通のラザーニェとは全然違うし」と瞳を輝かせて教えてくれた。


料理上手だった彼女のお祖母様はナポレターナ(ナポリ人)でこれまでも、私の知らない南の家庭料理やお菓子をたくさん教えてもらっています。日本人である私の少々変わった仕事のことを充分理解して、認めてくれてはいるけれど、「やっぱりMさんは(アレンジではなく)ホンモノのイタリア料理を教えて欲しいのだなぁ」と、いつもしっかりそのメッセージは感じていて。


昨秋もポルペッティーネを教えているし、と迷ったけれど、作ってみたらマルサーラで煮込むのとは全く違った味わいです。ベシャメッラ(ホワイトソース)を使わずに、リコッタでサルサローザにする点もヘルシーかつ簡単、南イタリアのパスタのオーブン焼きに付き物の茹で卵もよい感じで(しかし、なぜいつも茹で卵が?)とっても美味しかったので、やっぱり今年のカルネヴァーレの季節にご紹介することにしました。


本来素揚げして作るポルペッティーネですが、表面を揚げ焼きするだけ。また、ポルペッティーネの他にいろんな肉やサラミが入るナポリ風ラグーも、今回は肉団子たっぷりで簡単に準備しています。そして、イタリア式肉団子ポルペッティーネの基本の配合とは違って、パン粉が多めなのも特徴的かな(本場ナポリではチーズやイタパセは入りますが土台にチーズもたっぷりなので省略しました)。


ちなみに、今回の配合に炒めた玉ねぎの微塵切りを少し加えると美味しいハンバーグにもなりますよ。


リンク先には「ホンモノの(VERA)ラザーニァ・ナポレターナ」のリチェッタもついています。


家庭に根付いた伝統食らしく、Web上には一般の方の作品を含むホント〜にたくさんのリチェッタや動画があがっていて、ググって画像検索してみると出来上がり写真にも結構凄まじく差があります(笑)。しかし、このいかにも〜なナポレターノ2人はプロですし、彼らが作る「ラザーニァ・ナポレターナ」、ディチェッコみたいにフリルのある乾麺のラザーニァ板を使っていて、これぞまさしく!といった感じ。食べに行ってみたい!



以下、レッスン中のプロセス写真は生徒さんからお借りしました。

ル・クルーゼのものや陶器のラザーニアパンも持っていますが、最近はレッスン中はもっぱら野田琺瑯の浅型Lを使っています。コンパクトだけどたっぷり積めば6人分はゆうにできますし、熱伝導がよく早く焼けます。が、陶器のラザーニァパンには柔らかく熱が伝わるよさもあり、時間があるときはやっぱり昔ながらの厚手の陶器のラザーニァ型もオススメです。

La Cucina Oliva di TAMAO TANAKA

イタリア料理、西洋菓子、そして季節の和食。 田中玉緒の料理教室では、 日々の食卓をおいしく華やかに彩る料理をご紹介しています。 家庭のキッチンでリストランテや料亭の味を再現するレシピとテクニック 料理とワインのマリアージュ ヨーロッパ直輸入や日本各地の珍しい食材や調味料も使い方と合わせて紹介しています。 目にも舌にもおいしい特別な料理と食文化に出会う時間をご一緒しませんか?

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